P905iでmobile2PCを利用するようになってからあまりの快適さに、ほとんどシンクライアントな気分でデフォのフルブラウザとして愛用している公園パパです。片手でパソコンを自由自在にあやつれる上に、周りから見てそんなとがった事をしているようには絶対見えない(ゲームをしているようにしか見えない)という気軽さから昨今はパソコンを持ち歩かないことも多くなりました。
ここまで愛用してしまうと「上級者向け設定」を公園パパとしてはすべて活用したくなります。ルータをRT58iに交換したり悪戦苦闘の末ついに2つの上級者向け設定をクリアしました。まさにラスボスを克服した気分です(笑)
1.システムサービスを自動起動する
これはたいていの方がらくらくクリアしていると思いますが、公園パパはずっと出来ませんでした(泣)。
原因はマカフィーのMangedTotalProtectionとmobile2PCの相性が悪いということでした。mobile2PCのサイトにウィンドウズの標準のファイアーウォールの設定が書いてなくて、なぜかウイルスバスターの設定が記載されているのは実は大事なヒントだったわけです。
ウイルスバスターを買う前に動作検証させるためマカフィーをアンインストールしてウィンドウズの標準のファイアーウォールの設定をやってみました。
スタートボタン->マイネットワーク->プロパティ->Windowsファイアーウォールの設定
で設定画面に入り、詳細設定タブのローカルエリア接続の右の設定ボタンを押します
続いて追加ボタンを押し
サービスの説明 −> 自分で考えた名前 なんでもよい 私の場合 mobile2PC とした
IPアドレス −> mobile2PCが動作しているPCのローカルアドレス(192.168.1.2など)
外部と内部ポート −> 8899 を入力
プロトコール −> TCP を選択
以上入力してOKを3回押して設定完了です。あとはmobile2PCの上級者設定のシステムサービスを自動起動するにチェックして設定すればOKです。再起動してmobile2PCが利用可能か確認してみてください。
この設定のメリットはログオフして他のユーザーに変更できることで、まあ必要な方には必要な設定かもしれません。
2.Wake On LANを有効にする
これはある意味mobile2PCのFAQです。私はルータがMagic Packetのポートマッピングに対応していなかったのでずっとあきらめていました。やっとのことでRT58iを入手したのですが、それでもなかなか設定方法がわかりませんでした。
PC側の設定
マイコンピューター->プロパティ->ハードウェア->デバイスマネージャー->ネットワークアダプタでLANカードの名前(PCごとに違う)にたどり着き、その名前をダブルクリック
続いて電源の管理タブで
コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする
管理ステーションでのみスタンバイ状態を解除できるようにする
の2つにチェックを入れるようにします
この「管理ステーションでのみ」というのが曲者でWake On LANをとても連想しがたいイメージの名前であるために気づくのが遅れました。
カードによっては詳細設定タブにずばりWake On LANの設定がある場合もありますが私のはありませんでした。「Wake On Link」は名前は似ていますが関係ありませんのでデフォのままが無難です。
ここまで設定して「スタンバイ状態のMagic Packetによる解除」は出来るようになります。動作確認はRT58iの場合なぜかWEBコンソールでは出来なくてtelnetでログインする必要があります。
アクセサリーのコマンドプロンプトで「telnet (ルータのローカルIP)」とやるといきなりパスワードを聞いてきます。ここで何も打たずに「Enterキー」を押さないとログインできません。これに気づくのに随分時間がかかりました。
Password: <-- ここでなにも打たずにEnterキーを押す
RT58i BootROM Ver. 1.01
RT58i Rev.9.01.33 (Mon May 12 21:46:48 2008)
Copyright (c) 1994-2008 Yamaha Corporation.
Copyright (c) 1998-2000 Tokyo Institute of Technology.
Copyright (c) 2000 Japan Advanced Institute of Science and Technology, HOKURIK
U.
Copyright (c) 2002 RSA Security Inc. All rights reserved.
Copyright (c) 1997-2004 University of Cambridge. All rights reserved.
Copyright (C) 1997 - 2002, Makoto Matsumoto and Takuji Nishimura, All rights r
eserved.
Copyright (c) 1995 Tatu Ylonen , Espoo, Finland All rights reserved.
Copyright (c) 1998-2004 The OpenSSL Project. All rights reserved.
Copyright (C) 1995-1998 Eric Young (eay@cryptsoft.com) All rights reserved.
Memory 32Mbytes, 2LAN, 1BRI
> administrator <-- > のプロンプトが出たらadministratorと入力
Password: <-- ここで初めてWEBコンソールと同じパスワードを打つ
# wol send lan1 00:01:02:03:04:05 <-- マジックパケットの送出コマンド
なんてtelnetのログインはわかりにくいのでしょう?やはり玄人好みのYAMAHAルータという感じです。それにしてもWEBコンソールではなぜかMagic Packetが送出できません。ほとんど嫌がらせとしか思えない面倒くささです(^^;
ちなみに00:01:02:03:04:05はmobile2PCの動いているPCのMACアドレスです。コマンドラインから「ipconfig /all」とやると
Ethernet adapter ローカル エリア接続:
Connection-specific DNS Suffix . :
Description . . . . . . . . . . . : Intel(R) PRO/100 VE Network Connection
Physical Address. . . . . . . . . : 00-01-02-03-04-05
Dhcp Enabled. . . . . . . . . . . : No
上のPhysical Addressに書かれている文字列の「-」を「:」におきかえて入力します。
やっとのことでマジックパケットが送出できました。mobile2PCが動いているPCをスタンバイにしてMagic Packetを送り起動すればPC側のスタンバイ解除の設定は完了です。
続いてPCの電源をONにする設定をします。BIOSの設定方法はPCの起動画面やマニュアル等で把握してください。Magic Packetで電源をONにする方法は
Power Management EventメニューのPCI Boot Device、APM Configuration、Power On by PCI Device、Power On By PCIE Deviceなどの名前の設定項目をEnableにすることで簡単に設定できます。
Save&Exitしたら再びRT58iにtelnetログインしてマジックパケットをmobile2PCのパソコンに送ります。電源が入って「おーーーーーーーーーーーーーーーっ」と雄たけびを上げた時点でPC側の設定は完璧です。
ルータの設定
mobile2PCを活用するためには携帯からmobile2PCの携帯サイトに行って電源起動メニューからPCが遠隔起動できなければ意味はありません。続いてRT58iの設定に入ります
RT58iの今度はWEBコンソールにログインして詳細設定の基本接続の詳細な設定のプロバイダー向けの設定(普通はpp01)ボタンを押し、続いて下の方にある静的IPマスカレード関連(フィルタの自動定義:80番〜89番)の追加ボタンを押します
プロトコール ---> udp
受信先ポート ---> 9 (設定するとdiscardと表示されるが心配ない)
IPアドレス ---> ローカルIPの最後尾を255にしたものにする 例:192.168.1.255
これを設定して追加します。
つづいてWEBコンソールのコマンドの実行で
ip lan1 wol relay broadcast
と入力します。最後尾が255のブロードキャストアドレスにマジックパケットを送り、続いてip lan1 wol relay broadcastでLAN内すべてのPCにブロードキャスト(放送)するという設定です。
ファイアーウォールの設定で送信元ポートが「*」になっていることを確認してください。実は送信元ポートを「9」にしてしまったため私は小一時間悩みました。 RT58iのログを見たらmobile2PCの携帯サイトから送信されるMagicPacketの送信元ポートは「9」ではありませんでした。受信先に到達する時点でMagicPacketのポートは「9」になります。あとRT58iに不慣れな人間は「詳細設定の基本接続の詳細な設定」から設定を開始すべきで、「ファイアーウォールの設定」は最初は自動設定に任せて、動作確認が出来てから送信元IPなどを順次絞り込んでいくのがよいと思います。最初からいろいろ絞り込んでしまうとどれが原因なのかわからなくなります(^^;
RT58iの設定が終わったら携帯版mobile2PCのメニューから電源起動を選んで実行します。忘れていました。mobile2PCのPC側アプリの上級者設定のWake On LANを有効にするにチェックが入っていないと「このサービスは有料です」と表示されて携帯版mobile2PCのメニューから電源起動の実行が出来ません。あらかじめチェックしておいてください。
あらかじめ電源OFF又はスタンバイにしておいたmobile2PCのPCが起動するのを確認してください。
他のPCのWOL設定例などは下記のサイトで詳しく説明されています。
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/715wol/wol.html
他のルータの設定ですが基本的には静的マスカレードの設定で
プロトコール ---> udp
送信元ポート ---> *
受信先ポート ---> 9
IPアドレス ---> ローカルIPの最後尾を255にしたものにする 例:192.168.1.255
にすれば大丈夫です。注意すべきは送信元ポートは「全て」または「*」にすることです。
LAN側のWOL、MagicPacketのブロードキャストに対応しているルータは某有名掲示板によれば
BUFFALO BLR2-TX4L, BBR-4MG(HG)
NEC WR6600H, WR7800H等
NTT東日本 WBC V110M, RT-200KI,RT-200NE等
BUFFALO BHR-4RV
Web Caster 630m
RT58i
BEFSR41C-JP
AtermWR7600
などのようです。NTT東日本のひかり電話ルータも対応しているようですのでわざわざRT58iを買わなくても大丈夫かもしれません。
やっとのことで上級者設定をクリアしました。携帯でパソコンの電源をON、OFFできるのは想像以上にエキサイティングです。意味もなくON/OFF繰り返す公園パパでした(笑)
3.動画視聴の改善
公園パパのmobile2PCマシンは5年前の非力なXPマシンで動画視聴はフリーズしまくりでほとんど出来ないとあきらめていました。ところがある日素晴らしい発見が!!
http://www.kittpeak.co.jp/mobile2pc/movie.html#black2
のハードウェアアクセレーターの設定を「なし」に設定すると突然動画視聴が安定してサクサク出来るようになりました。これならジャンクマシンでmobile2PCも十分いける感じです。
ハードウェアアクセレーターがなしの状態で数ヶ月使用しましたが、普通にリモートでWEBブラウジングをしたり動画を見る分には全く問題なく経過しました。
以上3つをクリアしたことでやっとmobile2PCをフル活用できるようになりました。ここまでの道のりのなんと長かったことか・・・。ジャンクPCを復活させ、さまざまな設定を試し、ルータを交換し、ついでにVPNやリモートデスクトップも学ぶことになり、昔ラジオ少年だったころ電子工作で悪戦苦闘したようなワクワク感をmobile2PCは味あわせてくれました。PCも携帯もいじりようがないなんて思っていませんか?実は随分とオタッキーないじり方が出来るんだなあと感激致しました。