マドンナ


少年時代のさまざまな行動のひとつのきっかけとなっていたものに、「マドンナ」の存在があります。少年時代、特に小学生におけるマドンナは実は二種類あります。

ひとつは身近なクラスメートなどのマドンナで、どういうわけか1クラスに数名のマドンナが存在してそれを多数の男子生徒がファンとして祭り上げるというようなことが多かったように思います。マドンナの家はどこなのかなど得意の「少年探偵団」の団員と共にマドンナを尾行したりしました。

 

黒髪のおさげ髪のマドンナは古き良き時代を映す

 

黒髪でセーラー服のマドンナは今はいずこへ

 

もうひとつのマドンナは同級生のお姉さんや近所のお姉さんなど年上の女性です。「クレヨンしんちゃん」でよく登場する「おねいさん」への憧れはなにも現代っ子だけの特権ではありません。ただ憧れの対象は藤原紀香や浜崎あゆみのような女子高生ではなく、今は死語になってしまった「深窓の令嬢」でした。謎の西洋館に住む財閥の娘さんといったところでしょうか・・・。昭和30-40年代の少年たちは、いつかは「深窓の令嬢」と結婚したいものだと夢見て勉学に励んだことと思います。しかし昭和30-40年代の少年達が成人し婚期に達したときに「深窓の令嬢」は「女子大生ブーム」とか言うものの陰に隠れて世の中から消えていました。現代っ子は勉強しないとよく言われますが「深窓の令嬢」というようなかなわぬ夢を必死に追い求めるようなハングリー精神なしに勉学に励むことは難しいでしょう。今の日本全体に流れている無力感はハングリー精神を持てないような社会背景にあるのではと思っています(マドンナの話がとんでもないところに飛び火してしまいました(^^;)。

 

少年探偵の扉絵にある深窓の令嬢

 

令嬢のお父さんは割腹の良い重役という設定が多かった

 

少年探偵ではよく深窓の令嬢が誘拐された

 

令嬢の死体をショールームに飾る設定は少年探偵にはちょっと・・